今回の事故では、重油が広い範囲に拡散したことが、被害を和らげてくれたと言えます。ガリシア地方で一番汚染が酷かった地域でも、汚染の密度はそれほど高くありませんでした。サッカー場くらいの広さの場所に、直径7センチの重油の粒が10個ある程度に過ぎないんです。 2/1(火)22:10~23:00に、NHK BS1の「BS世界のドキュメンタリー」 シリーズで、2002年秋に起きた、重油タンカーのプレスティジ号がガリシア沖合いで沈没した事件を扱った、「重油流出から海を救え ~ スペイン タンカー事故」が放送されたらしい(プレスティジ号事件の詳細は こちら とか こちら へ)。我が家にはBSの受信環境がないので、録画していただいたものを鑑賞。 これはTransglobe Filmsというスペインのドキュメンタリー制作会社が制作した、La costa herida (The Wounded Coast) という2003年の作品で、パンプローナで開催された2004年度の teleNatura (自然と環境の保護についての国際テレビジョン・フェスティバルらしい)で最優秀脚本賞を受賞したそうで、NHKでの放送が実現したのも、この受賞が契機なのかな? 事件の全体をバランスよく扱っていた ディスカバリーチャンネルのもの とは異なり、こちらは汚染の除去に奮闘する科学者たちに焦点を当てたもの。そのため、被害額は推定11億ユーロ、回収された重油は15万7000トンにも上るという事件の忌まわしさよりも、科学者たちの懸命の努力の甲斐あって、事件は万事解決した過去のものです、めでたしめでたし、といった、楽観的にさえ思える印象を残すものになってる気がしちまったですよ。 印象的だったのは、ドキュメンタリーの主旨とはズレるんだけど、荒波が打ち寄せる急な岩場での亀の手(ペルセベス)の採取シーンで、マヌエル・リバス Manuel Rivas さんの 蝶の舌 に収録されている短編、「ミスターとアイアン・メイデン El Míster & Iron Maiden」の後半、親子で漁に出かける場面はこういう光景だったのかと。 そして、これも主旨とはズレるんだけど、ガリシア全体でのムール貝の水揚げ高は30万トン超で、これはヨーロッパの37%、全世界の21%を占めるんだそうな。そして1万人がこの仕事に従事しているそうな。ふむふむ。 #
by ucb2004
| 2005-03-03 19:49
| ガリシアのお勉強
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