ラモン・サンペドロにとって、生きることは自由を謳歌することだった。太陽の光に照らされ、青くまばゆくきらめく故郷ラ・コルーニャの海。その海を渡り、世界中を旅してまわった青春時代。だが、その輝かしい日々は、25歳の夏に唐突に終わりを告げる。 海を飛ぶ夢 という映画が間もなく上映される。監督は「アザーズ」で知られる アレハンドロ・アメナーバル Alejandro Amenábar。スペイン本国ではゴヤ賞の、過去最多となる14部門を受賞。国外でも米アカデミー賞の外国語映画賞をはじめ、数々の賞を受賞してきた極めて評価の高い作品。ア・コルーニャ近郊シューノ Xuño 出身の、ラモン・サンペドロ Ramón Sampedro という、実在の人物の生涯を描いたもので、サンペドロは手記「Cartas desde o inferno(地獄からの手紙)」、詩集「Cando eu caia(When I Fall)」などを著しており、映画の原題である「Mar abentro」も、その詩の題名(ガリシア語では「Mar dentro」)から採られた。 「尊厳死」という重苦しい主題ではあるけれど、ガリシアに興味を抱くものは、ア・コルーニャの海、ガリシアの自然の描写が素晴らしいという評判を聞けば、見過ごすことはできない。また、アメナーバル監督が自ら手掛けた音楽では、お馴染みカルロス・ヌニェス Carlos Núñez の奏でるガイタ(ガリシアのバグパイプ)が重要な役割を担っているようだ。日本でもサントラ盤は発売されるようだけど、フナック・スペイン や アマゾン・フランス で試聴が提供されている。 英語圏での題名は「The Sea Inside」で、原題の「Mar adentro」を逐語訳したものとなっている。「Mar adentro」は、本来は「Out to Sea」と訳されるのだけど、過去に同名の映画があったため、敢えてこのようにしたらしい。でもこれはこれで意味深で面白い。そして邦題は(いつでもなにごとにも不満を述べるひとというのはいるものだけど)、内容に沿った、印象に残る良い題名が与えられと思う。 以下は各国のプロモーションサイト。北米版の予告編が素晴らしい。 スペイン | 予告編 北米 | 予告編 日本 | 予告編 海へ
|